2025-12-02 HaiPress
集団のふんや騒がしい鳴き声から「街の厄介者」扱いされるムクドリの行動を調べ続けている高校生がいる。桐朋高校(国立市)2年の緒方蒼真さん(17)。調査の成果は昨年から2年連続で日本鳥学会で発表した。ときには1万羽以上も集まって街路樹にねぐらを形成する鳥を、鵜(う)の目鷹の目で追う。(桜井章夫)

ムクドリの行動について調査を続ける緒方蒼真さん=東京都国立市で(坂本亜由理撮影)
緒方さんは小学生のときにツバメの巣が何でできているか調べたほどの鳥好き。ムクドリの調査のきっかけは中学への電車通学。西武新宿・池袋線の所沢駅(埼玉県所沢市)を利用するうち、ムクドリの集団が気になった。中学1年の2021年夏、駅周辺で観察を始めた。

ムクドリ(緒方蒼真さん提供)
「日暮れになるとムクドリが駅近くの街路樹に集まってねぐらを作るのは天敵のオオタカやハヤブサなどの猛禽(もうきん)類から身を守るため。集団でいると捕食者から狙われる確率が減る『薄めの効果』と呼ばれている」と説明する。
観察は、ねぐらを形成する夏場を中心に、今年8月まで計380日に及んだ。中学1~3年の3季の調査では、ねぐらを形成してもオオタカが襲っていることが分かった。襲撃はねぐらに集まる前は少なく、大半はねぐらに就いた直後だった。
「ねぐら入り直後はムクドリ同士が居場所争いをしており、外への警戒が緩くなっている。オオタカはそんな状況を突いているようだ」と分析する。
ムクドリのねぐらに、体の小さいコムクドリが交じっていることも確認した。「コムクドリは繁殖後の渡りの途中、ムクドリのねぐらを見つけると身を守るため利用することがあるよ...
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