2025-11-28 HaiPress
外出中でも宅配便が受け取れる宅配ボックス。便利な一方で、犯罪に悪用されるケースが相次いでいる。
数多く設置されている宅配ボックスの中でも、目を付けられやすいタイプがあるのだという。悪用を防ぐため、どんな方策があるのか。(今坂直暉)
警視庁が今月発表した2つの事件で、宅配ボックスが悪用されていた。1つは高級自動車盗、もう1つは組織的に約22億円をだまし取ったとみられる特殊詐欺だ。

過去の自動車盗事件で押収されたCANインベーダー
高級自動車盗事件では、容疑者グループが、車の制御システムに侵入して開錠やエンジン始動を行う特殊な機械「CAN(キャン)インベーダー」を使用していた。容疑者の1人は、自宅近くのマンションの宅配ボックスを勝手に使い、CANインベーダーなど犯行の道具を隠していたという。
特殊詐欺事件では、被害者から現金を受け取った「受け子」らが、回収役に渡す際、マンションの宅配ボックスを無断で使っていたという。
宅配ボックスには大きく2種類のタイプがある。一つは「ダイヤル式」などと呼ばれ、宅配業者が暗証番号をダイヤルやタッチパネルで設定して施錠し、配達伝票に番号を記載して居住者に知らせる形式だ。

(左)ダイヤル式の宅配ボックス(右)コンピューター式の宅配ボックス=いずれもメーカー提供、事件とは関係ありません
もう一つは「コンピューター式」で、宅配業者がボックスに入れて施錠した荷物を居住者がカードキーをかざすなどして開錠して取り出す。
前者の形式は比較的安価に設置できる反面、コンピューター式より安全性が低く、事件に悪用されるケースが多いとみられる。
捜査関係者によると、高級自動車盗事件の容疑者が悪用したの...
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